新卒で病院で看護師をしていた時の話ですが。
仕事をすこしずつ覚える中で、段々と、患者さんの日々の処置の仕方や、不穏寺の対応や、採血や点滴といった仕事を覚えていくわけですが、私がなかなか出来るようにならなかった、というか看護師になって全然関わらないのが、死後処置でした。
死後処置とは、病院などによってやり方はまちまちで、亡くなった患者さんの身体をきれいに拭いたり、お顔を整えたり、排泄物などが出てこないように処置したり、場合によってはメイクまで行うこともある。
でも私は、患者さんが亡くなるときに、勤務に入っていないことが多く、死後処置がいつまでも出来るようにならなかったし、今でもあたらず生きている。
あたる…と言う表現はもしかしたら不謹慎なのかもしれないけど、看護師の間ではよく使われる表現でもある。
高校が福祉科だった私は、昔からこういった話(人の最期の時間について等)はよく聞いていたけど、今でも覚えている、先生が話していたこと。
それは、患者さんや、老人ホームの利用者さんは「死ぬ時を選ぶ」と言う話だ。
看護師の中でも、ご臨終によく立ち会う人と、そうでない人がいるが、患者さんは“安心して最期を看取ってもらえる人の日に逝く”と言う話を、昔、福祉科の先生にされたのだ。
だから、人が亡くなるたびに(私の日じゃ心配なんだろうな😓)と思ってしまう。
なんだか申し訳ないような気もするけど…。
かといって“あたる人”にもなりたくない(正直)😓
でも、当たらない限り経験はつめない。複雑だ。
結局最初の病院には4年ちょっと勤めて、数えきれないほど患者さんを死亡退院で見送ったけど、私の受け持ち時間に亡くなった人は居なかった。早番で勤務した日に夜勤の人が死後処置をしているのをギリギリ少し見せてもらえたくらい…。
看護師になったら、人の死さえも経験なんだ。